競作『鈴をつける』

『鈴をつける』

 人は鈴。ノーミソ入ってないフリで、ころころころころ笑うだけ。何を考えどう思うのか、見えることはありません。
「地球って中身からっぽかも」
「そんなことはない、地球の中はマントル、コアと云々かんぬん」
「一般的な定説だけど、実際に見た人は誰もいない」
「議論じゃなくて楽しい話しようよぉ」
「えー、だってそんなの常識でしょ?」
「そんなことよりビールおかわりするけど、みんなは?」
 振ったらころころ鈴の音。合わせてころころ鈴の束。酔っ払った頭のまんま、神社にお参り行きましょう。お願い事は口にしない。口に出したら叶わない。だから思いに触れられない。何を望むか、何が欲しいか、わからないまま共にいる。せめて寂しくないように、頭の中をからっぽにころころ笑って過ごします。
 ホントはいろいろ考えるけど思いつめたらかけられる「くらい」に「うざい」に「きもちわるい」。悪態いっぱいもう聞き飽きた。だからせめてもその場の空気、醒めないように笑います。頭に鈴をつけるのです。きっと地球もからっぽで、誰もが少し寂しいの。近くの星の誰かさん、こんな思いを知ってるかしら。広い宇宙にきらめく星は、夜空でちりり光ります。

(氷砂糖493粒)

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 500文字の心臓第114回競作投稿作。
 △△。

 たぶん誰にも気付かれなかったけど、谷川俊太郎『二十億光年の孤独』をイメージしたもの。気付かれなかったので、私の中では、失敗。

 鈴についてずーっと考えてて、中が見えないという記述を見つけたときに思いついて書きました。

(修正前記事タイトル:どうやったら作者バレしないのかなあ)

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なるほど

少し前にやはり『二十億光年の孤独』をテーマにした話(漫画ですが)を読んだのですが、これを読んだ時にぼんやりそれを思い出したのでした。もちろん中身は全然違うのだけれど、根底に流れるものが同じだったからかな。すっきりしました。

ふむふむ

オギさんこんにちは。
感想ありがとうございます。そっかー、なんとなくはほのめかすこと、できてたのかなあ。だったらよかった。
ちょっぴり落ち込んでいたので嬉しいです。
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こおり

Author:こおり
モノカキ時は「氷砂糖」の筆名使用。
息をしたり、寝たり、食べたり、音楽を聴いたり、500文字小説を書いたりしています。
鉄の街出身、晩秋生まれの嘘詠い。

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