第162回競作『魚と眠る』----
×<魚と眠る2>(つみき)
> 私の部屋には空っぽの水槽がある
文体に硬さがあって、それがちょっともったいないでしょうか。
説明を説明として書きこむのではなく、
比喩表現で圧縮されていたらすごく好みです。
とはいえ、
>私も父も知らなかったのだ。
の繰り返しはとても印象的で、この表現は絶賛しておきます。
惜しい!の意味の逆選。
◎<魚と眠る14>(脳内亭)
> 魚は鳴かない
とても好きです。
設定説明に多くの分量が割かれていますが
全くくどくなく、すっと読み進められ、納得させられます。
ナナという名前の由来提示のタイミングが絶妙で、
ふっと寂しいような、けれど暖かいような気持ちになります。
そして「妻」はどうしたのだろう、という謎をのこして
物語を印象付けられました。
文句なしに正選、と思ったけどおまけで特選。
△<魚と眠る16>(たなかなつみ)
> 目覚めると視界を覆っていたのは
夢だけど夢じゃなくて、という世界が交錯するファンタジックなお話です。
4段が見事だなーと思いました。
次点。
△<魚と眠る17>(磯村咲)
> 私が産んだのはハタハタだった
乳を飲ませないから乳が張るんじゃないかとは思いましたが、
ないない尽くしでリズムが良かったので。
次点。