300字SS『バトン』

『バトン』

 正直、メンバーの走力はそこまで秀でていない。
 第一走者、一昨日。
 第二走者、昨日。
 第三走者が僕、今日。
 そしてアンカー、明日。
 バトンパスのロスを極限まで小さくしていることがチームの武器だ。
 レース本番。
 体調はもちろん整えていた。ウォームアップも万全。
 ピストルが鳴り、一昨日が飛び出す。
「昨日!」
 テイクオーバーゾーンに入る前に叫ぶのがチームのやり方だ。
「今日!」
 前を向いたまま受け、加速。が、脚に違和感?
「明日!」
 差し出したバトンは明日の手に触れたが握られることはなく、落下。その様子はスローモーションで。バトンは地面に転がった。
 立ち尽くす明日の向こうで、他チームはゴールしている。

(氷砂糖299粒)
----

 企画「#Twitter300字ss」参加作品。予定。
 お題テーマ:渡す

コメントの投稿

非公開コメント

注目情報
競走馬ロックキャンディ号の応援サイトではございませんのでご注意ください。
ブログ内検索
カテゴリ
最新コメント
最新トラックバック
プロフィール

こおり

Author:こおり
モノカキ時は「氷砂糖」の筆名使用。
息をしたり、寝たり、食べたり、音楽を聴いたり、500文字小説を書いたりしています。
鉄の街出身、晩秋生まれの嘘詠い。

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

KDP始めたよ!
RSSリンクの表示
リンク
Booklog