300字SS『いいかげんにして』

『いいかげんにして』

 砂糖でできている彼氏には気を付けて。なかなか面倒臭いんだから。
 蟻を連れていることが多くて、虫嫌いな人だったらまず無理。やってられない。
 日差しが強い日はたまに焦げてる。カラメルみたいなべっこう飴みたいな甘い香りを漂わせるのは、まあ、許そう。
 悪いことばかりではない。それは確かに。キスをした時のあの、口いっぱいに広がる幸福感は、砂糖の彼氏じゃないと得難いものかもしれない。
 一番問題なのはこれからやってくる雨の季節だ。
 マメじゃないのだ。わたしの彼氏は。天気予報が雨を知らせていても、手ぶら。ほらまた雨が降ってきてじんわりと形を失っていく。
 この時期いつも二本の傘を持ち歩かなくちゃならない。

(氷砂糖298粒)
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 企画「#Twitter300字ss」参加作品。
 お題テーマ:かさ

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モノカキ時は「氷砂糖」の筆名使用。
息をしたり、寝たり、食べたり、音楽を聴いたり、500文字小説を書いたりしています。
鉄の街出身、晩秋生まれの嘘詠い。

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