500文字小説『イロトリドリ』

『イロトリドリ』

 イロトリドリは鮮やかなレインボーカラーの羽毛を持った小型の鳥で、ヒトの思考の中に生息することが確認されている。
 あなたと向かい合う。見つめ合う。始まる、激しい批判の合戦。
 あなたが責めるのは、共通点のうちであなたの方が優れている点。ポイントが入る。わたしの肉はぞりっと削られる。
 わたしが責めるのは、共通点のうちでわたしの方が優れている点。ポイントが入る。あなたの肉もぞりっと削られる。
 責めて責められ、削り削られ、あなたとわたしは解り合えない部分だけを残した肉片となる。居場所から追い出された二羽のイロトリドリは、その肉片をついばむ。黄色いくちばしに真っ赤な血。緑の翼に真っ赤な血。青い腹に真っ赤な血。紫の尾に真っ赤な血。赤い脚に真っ赤な血。あなたと共に、イロトリドリたちの腹の中へ。
 表に出てきたイロトリドリはどこかへ飛び去ってしまう。数多くの研究機関がイロトリドリの行先を調べようとしたけれど、どれも失敗に終わっている。諍いの中で見つかったイロトリドリは皆、単独で行動しており、どうやって繁殖しているのかも判明していない。

(氷砂糖465粒)

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モノカキ時は「氷砂糖」の筆名使用。
息をしたり、寝たり、食べたり、音楽を聴いたり、500文字小説を書いたりしています。
鉄の街出身、晩秋生まれの嘘詠い。

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