300字SS『ワレワレは』

『ワレワレは』

 ワレワレは割り箸である。
 杉林で建材用に育成されたが、優れた同朋とは別れ、間伐材の有効利用法として割り箸として加工された。
 ワレワレは割り箸である。
 工場で大量に作られたが、行くべき場所は一つではない。
 ワレワレは割り箸である。
 中華料理店に納入された。パッケージから取り出されたワレワレは、箸立てにぎちぎちに詰め込まれてその時を待つ。ワレワレは客に一膳ずつ手に取られ、減ってくるとパッケージから補充される。
 今、ワレは手に取られた。
 半身と別れ別れになり、ラーメンを食べるのに使われる。箸の持ち主は大変気持ちの良い音と共に麺を啜る。
「ごちそうさん」
 ワレワレはこうして、別れ続けた役目を終える。

(氷砂糖299粒)
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 企画「#Twitter300字ss」、3月度参加作品。
 お題テーマ:別れ

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息をしたり、寝たり、食べたり、音楽を聴いたり、500文字小説を書いたりしています。
鉄の街出身、晩秋生まれの嘘詠い。

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