500文字小説『伝えておいてくれよ』

『伝えておいてくれよ』

 嫌いだよ。
 嫌いだよ。嫌いだよ。嫌いだよ。嫌いだよ。

 何もかも、全てが嫌いなのさ。
 関わり合いになりたくないの。

 でもどうしても顔を合わせてしまう関係だから、直接は言えないの。
 向こうも薄々はわかっていると思うのだけどね。薄々、なんかじゃなく確信してるかも。

 伝えるためというより、自分の気持ちを整理するために手紙を書いたんだ。うん、もちろん言葉は選んだよ。
 嫌いだよの連呼は、病んでるっぽいから、向こうに避けさせるなら効果的かとも思ったけれどやめておいた。

 伝えておいてくれよ。
 何も言わなくていい。この手紙を、明日の私に差し出してほしいんだ。

(氷砂糖274粒)

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モノカキ時は「氷砂糖」の筆名使用。
息をしたり、寝たり、食べたり、音楽を聴いたり、500文字小説を書いたりしています。
鉄の街出身、晩秋生まれの嘘詠い。

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